質問が多かったこと(質問の回答集)
さらに、具体的な内容として、今までに伺った質問の中で、よく見かけられた
ものについての、「一般的な回答」を掲載させて頂きます。お問い合わせの際は
まず、参考にされてはいかがでしょうか。
01 築炉 窯を自分で作ってみたい
Q 自分で窯を作ってみたいと思います。どのように相談すればよいでしょうか?
簡単な図(手書きでも構いません)をまず、書いてみて、それを弊社に送って下さい。
それを基本にまず、直したほうがよいかどうかの話を行い、窯の形状を絞り込みます
私どもはあくまで、技術的な点から、その窯の不合理性を確認するわけで、出来る
だけお客様の最初の要望を活かす様には対応します。例えば、陶器の窯なら、
将来的にどれくらいの寸法の物が焼きたいか?によって内容積が変わります。という
ような感じです。バーナーと、燃焼と排気いう点も大切な要素になります。
Q 基本的な炉の構造について留意する点は?
耐火と断熱。この2つの言葉を常に念頭に置いてください。熱を効率よく使おうと
すればするほど、熱損失を少なくする窯の設計が必要になります。高温になれば
なおさらです。耐火煉瓦の他に断熱煉瓦という種類があります。炉の内側は頑丈
な耐火で積めばよいですが、耐火煉瓦は熱伝導率が良いので、そのままでは
熱損失が大きい。そのような際に外側を断熱煉瓦で囲むのが基本になります。
両者を兼用するような耐火断熱煉瓦という種類もあります。値段は高くなります。
Q 築炉を勉強できる参考書ってありますか?
強いて言うなら、職人の技能検定に使われるハンドブックくらいですが、一般には
市販されていません。専門書はありますが、難解です。迷いましたらまずはお聞き
下さい。簡単な事なら即答出来ると思います。
Q 煙突を高く立てる必要がありますか?
特に強制的な換気構造を持たない窯の場合、煙突の高低差から生まれる気圧差
吸引の能力を決定してしまいます。形だけ煙突があればいいというものではありません。
Q 庭に窯(パン・ピザ・バーベキュー等)を作ってみたいと思いますが?
インターネットで多い質問です。
一番のポイントは、雨水対策をどうするかです。何故なら、出来れば雨水がかかる
状況は避けたい。避けられない場合は、どのような対策をとるか、なのです。
パン・ピザ・バーベキューのような比較的低温(調理温度として300度程度まで)
の場合にのみ、窯の熱膨張・収縮よりも、雨水対策を優先する必要があると
思います。もしくは屋外でも屋根で覆うかです。普通の耐火モルタルが焼結しない
だけでなく、雨で流れてしまいます。多少、強い素材の耐火モルタルもあるには
あるのですが、アルミナセメント系で、積む事を想定した方が良いとも思います。
アルミナセメントは一般にはあまり馴染みのないセメントです。ましてや、骨材等を
混ぜ合わせた目地専用など、殆ど見ません。お困りでしたら、一度ご相談下さい。
Q 雨水対策で防水セメントを天井に塗りたいが。
雨を想定すると、炉材の選択、使用目的が限られてきます。完全に水分の浸食を
抑える事は出来ません。横殴りの風雨があれば濡れてしまいます。耐火煉瓦や
不定形耐火物への直接のしみこみを防ぐために天井外側に防水セメントを塗るのは
よいとして、セメントに100度以上の温度が伝わっては意味がありません。
よくお勧めするのは、屋外に、パン・ピザ系の窯を作る際には外側に赤煉瓦を
巻くようにお話します。赤煉瓦もある程度の耐火物になりますし、セメントとの相性も
良いからです。水がたまらないように、勾配をつけて防水セメントを施工してください。
Q 屋外では耐火煉瓦は使ってはいけないのですか?
いえ、そうではありません。耐火煉瓦は吸水性があります。その点と、耐火モルタル
が粘土の様なものであること、水は熱すると水蒸気になり、体積膨張をすること、
こうした物理的な法則は、どんな場合にも当てはまります。そういう危険を回避して
頂ければよいのです。
Q 1300度に耐える煉瓦とは何を選択すれば良いのでしょうか?
これ実は簡単なようで、難しい質問です。共通出来るアドバイスとして、窯を長持ち
させたい場合は、設定温度の1割減で考えること。ですから計算上、SK32でも
大丈夫と思ってもSK34やそれ以上をお勧めする場合もあります。不定形耐火物の
場合も1250度用なら実際は1150度程度で考えた方が安定感があります。
なぜか?炎には焦点温度があり、熱には対流や放射熱、輻射熱・反射熱、それらが
窯の構造の中で局部的に集中する場合があるからです。温度計はそれらのごく一部
の平均温度を指しているに過ぎないからです。
Q パン・ピザ程度なら、何でもよいのでは?
耐火度的にはその通りです。基本編で述べましたように、JIS規格が厳格に適用される
下限のSK32あたりをお勧めするのは、製品の規格基準の安定でお勧めをしています。
逆に言えば、それ以下は「無刻印(品番・メーカー名が入ってない)」でも売れるので、
どこで作っているのかわからないけど、安い煉瓦はあります。としか言えません。
同じように見えるけど同じではないということだけはご理解下さい。
Q イタリア・ナポリあるようなドーム型ピザ窯を作りたいのですが?
最近、耐火煉瓦を加工して、積み上げてチャレンジされた方がお見えになりましたが、
角度を計算しながら、加工して積みあがるのは、とても凄い事です。(感心しました)
簡単なのは、不定形耐火物を使って、型の上に流し込む方法です。
弊社の親戚筋の工場ではプレキャストと言って、焼結乾燥させた状態のお好みの
形状を作れる方法もあります。興味がありましたら、お問い合わせ下さい。
02 材料の購入
Q 耐火煉瓦の規格や、成分のコンテンツは決められているのでしょうか?
日本規格協会発行のJISハンドブックを参照してください。カテゴリーによって決められて
います。耐火煉瓦は工業製品だからです。そこに合致しなければ「規格外」になります。
Q 商品(製品)の購入出来る単位は、どのようなものでしょうか?
弊社は基本的に、小売をしているわけではないのですが、常に在庫を持って緊急
工事に対応できる様にしていますので、即納が難しいものを含めて在庫を置いて
あります。その在庫の範囲であれば、1丁・1個単位から販売は可能です。
仕入れが必要なものは、最低注文ロットがあります。詳しくはお問い合わせ下さい。
断熱煉瓦は、JIS並は10丁で1包装になりますので、出来れば10丁単位でお願い
します。箱単位のものは1箱が基本ですが、在庫があれば、場合によってはバラも
可能ですので一度、事前にお確かめ下さい。耐火物は種類によって納期が全く
異なり、2・3日で入るものもあれば、2ヶ月以上かかるものもあります。
Q 耐火煉瓦はいくらでしょうか?
一概には申し上げれません。ポイントは、耐火度、メーカー、そして弊社の場合、
在庫でまかなう場合、仕入れた時の送料を含んだ仕入値によります。
耐火煉瓦の仕入れは弊社のような規模でも10トントラック単位が普通です。
仕入れの量が少ないと、運賃が価格に反映されてきてしまうのです。
一般論で申し上げれば当社が在庫を置く下限の商品として190円前後くらい
からと申し上げます。もっと下の番手も世の中に存在しますし、メーカーを探せば、
より安く手に入れられるかもしれません。弊社は、一定レベル以上の製品の質を
落としたくないので、必ず安いということではありません。お客様の要望に
見合ったものを提供することを念頭に、出来るだけお答えはしますのでまずは
ご相談下さい。在庫調整の関係でお安く炉材を出せるタイミングもあるからです。
Q 耐火煉瓦の重さはどれくらいでしょうか?
一般論として、皆様が購入する可能性の高い、業界用語で言うシャモット質煉瓦、
の耐火煉瓦、それもポピュラーな辺りの品番で、おおよそ3.6キロから3.8キロ
あたりだと思います。(全てのメーカー品を把握してはいません)品番が変われば
原料が変わりますから質量も換わるので、あくまで目安です。発送の前には
お送りする(予定の)商品を量って事前にお答えする場合がよくあります。
Q 購入する商品の総重量による発送の方法とは?
煉瓦1丁・2丁単位なら、宅配便でも可能でしょうが、耐火物は、数がまとまれば
数百キロ、トン単位になります。トラック便の配送が基本で、遠隔地の場合は
JRコンテナーを利用した場合もあります。(どの方法が安価かについてもお客様
と相談する場合が多いです)手降ろしが基本か、フォークリフトやユニックが手配
可能かどうかで、発送方法が異なります。手降ろししか手段がなければ、20キロ
ないし、最大30キロ程度で、木枠等を使った梱包を行ないます。後者の場合、
木製パレットに必要な炉材を積み込み、まとめて梱包をします。梱包費用が若干
必要になります。
Q 製品を購入することは可能でしょうか?(バーベキュー炉等)
自作の方法として、図で紹介したものはありますが、決まった形を常に弊社で
作っているわけではありません。その度毎に、おおよその想定サイズや内容を
検討してからになりますが、問題は搬送の方法です。搬送、積み下ろしの出来ない
場所は勿論ですが、煉瓦で組んだ場合は金物と部分的にでも一体化していないと
吊り代さえ取れないこともあります。何故、太古の昔から煉瓦があるのか。それは
そうした場所に運びやすいという点があるからです。完成品は相当重量になります。
搬送の為だけに金物を使用するとコスト的に高くつく場合もあり得ます。小さな
バーベキュー炉程度なら内容にもよりますが、現地に職人を派遣して積んだ方が
安い場合もあるのです。
Q では材料をセット販売はして頂けますか?
可能な限り、対応させて頂きます。標準形に、異型、特に異型は入手困難なものが
ありますから、必要数を計算して、あわせて梱包・発送します。
Q 軽い材料(炉材)ってないのでしょうか?
ファイバー(繊維)系の材料がいろいろあります。それを固めてボード状にしてあったり。
断熱煉瓦系やファイバー、ファイバーキャスト等、詳細はお問い合わせ下さい。
Q そもそもどんな材料があるのかさえ解りません。総合カタログありませんか?
もし総合カタログなんて作ったら、とんでもない厚みになり、どんなメーカー、同業者でも
割りに合わないと思います。メーカーは得意・不得意があります。歴史的背景から
住み分けがされてきています。そんなところから、用途に応じた炉材を選択するのが
私たちの仕事
になります。シェアは微々たるものでも、それだけ製品の数は相当数
あるのだと思ってください。その中から頻繁に使われるものを選定して弊社では在庫を
置いてあります。一番解りやすいのは、弊社にお越し頂き、実物を見ることです。
沢山の方においでくださってます。今までの疑問を解く契機にもなると思います。
Q 耐火煉瓦の寿命は?
一概には申せません。東京駅及び、駅の地下に赤煉瓦の巨大なアーチ建造物が
ありますが、明治の職人の技ですが、耐火煉瓦も条件があれば、直ちに劣化する
ものではありません。ポイントは、寒暖の差が激しいか(火を付けたり消したり)、
被焼成物や燃焼ガス等による発生ガスの侵食度合い、物理的な負荷等です。
弊社の庭に設置した焼却炉は既に30年経過しています。(煙突は鋼管なので
交換しました)条件さえ整えばいつまでも大丈夫な場合もあるでしょう。
ただ、製品自体の品質が悪いものだったら・・・それは、いつまでなのか解りません。
Q 色は指定できますか?
製品の色を考えて作っているメーカーはまずないでしょう(笑)耐火煉瓦は焼いた色
そのままですし、他の耐火物も原料の性格そのままです。後は長年の勘で、
あそこのメーカーなら、多分、こういう色目の煉瓦だったかな?くらいの事しか。
それでも確証はありません。焼物の世界ですから色をつけているわけではないです。
Q リサイクル煉瓦ってあるのでしょうか?
現存はします。当社も以前は、現場で出る解体煉瓦はリサイクルにまわしていました
が、ダイオキシンの関係で、条件が厳しくなり、今は、法令に基づく処分方法を選んで
いますので、自社でリサイクルに出すことは稀になりましたが、民間の窯を解体して
再利用する業者さんは今でもおられます。いわば中古品ですから、価格は安いです。
03 施工(自作するにあたって)
Q 目地をどれくらいで考えたらよいでしょうか?
これも、大変誤解の多い点です。セメント目地は10ミリ前後くらいになるのでしょうが、
耐火モルタル(シャモットモルタル)の目地は2・3ミリ程度です。エアセットモルタル
ではさらに薄くなり、まるで煉瓦をすり合わせるように積むようなイメージです。
目地がべたべたのイメージは捨ててください。業界が違うとはこういう点を指します。
それを素人の方がいきなりは難しいかもしれません(笑)努力目標として5ミリ以下には
なるように。目地が厚ければ厚いほど、後で窯が緩みます。ましてやモルタルで隙間を
埋めるなど、意味を解ってお使いならともかく、単に目地が厚くなるならそれは問題です。
標準形で無理矢理モルタルでアーチを作るなど、やってはいけない典型例になります。
煉瓦をモルタルで接着するという考えも、この際排除してください。
Q 楽に積みたいので、他に材料はないですか?
高温の窯には適しませんが、接着、穴埋め的な用途にも対応させるなら、耐火セメント
系の材料があり、当社もオリジナル商品(ODモルタル)を用意しています。セメント材料
ですから、5ミリ以上でも大丈夫にはしてあります。ただ、どんな場合でも熱膨張・収縮は
目地の弱いところに出ますから、出来るだけ目地を薄く積むのが理想です。

粉状の耐火モルタルを練るのが面倒ならば、缶入りのウエットモルタルも製品として
あります。当然、ドライ(粉)よりは割高になります。
Q 余ったモルタルを塗ったり、敷いたり出来ますか?
出来ません。しても全く意味がありません。隙間に詰めるのもナンセンスです。
このような場合には、それに対応する炉材が別にあります。
Q 完成後の乾燥(乾燥焚)は必要ですか?
どんな場合にも乾燥時間は必要です。材料にもよりますが、不定形耐火物でも
施工後、どれくらいで強度を発揮するのか、計算をされており、1日〜2日養生を
するのが一般的です。(製品によって、施工の容量でも時間は変わります)
水分が炉材の中に大量に含んだまま、火を入れますと「水蒸気爆発」という現象
も起こりえます。焼結と言って、出来た窯の目地を焼き締めるという意味での
乾燥焚きというものが必要になります。(一般論としてお話しています)
Q 天然石(大谷石)等を材料に使いたいのですが。(パン・ピザ)
遠赤外線の効果はあると思います。問題は、天然のものですから、やがて収縮
亀裂の可能性が無いとは言い切れない点です。煉瓦を使う、もう一つの意味は
焼き締めてある製品なので、施工してからの再収縮が少ない事がメリットなのです。
Q 煉瓦に水を吸わせて耐火モルタルで積んだら、いつまでも目地が乾かない。
当然です。基本編等の解説をお読みならお分かりいただけると思いますが、施工
の方法がそもそも普通煉瓦のセメント積みと違うのです。耐火モルタルとは、最初
から粘りが出るように作られた粘土状の製品です。粘ってくっつく性質ですから、
耐火煉瓦側は、水で馴染ませる必要がありません。逆に水を含ませると、粘土に
水が染み出して、いつまでも目地が乾かなくなります。大変誤解の多い施工の方法
ですので、間違えないようにしてください。
Q 排気口(煙道)の位置の違いは、どう影響しますか?
窯は全て、熱を溜め込みたいから作るわけです。しかしながら、燃焼によって熱を
起こす以上、排気をしなくてはなりません。そのために煙道・煙突がありますが、
単純な構造の鋼管煙突の根元がさびたり、腐ったりするのは、そこばかりに熱が
集中してしまうからで、これでは効率も悪くなります。排気の吸引の力は、煙突の
高低差で導くとすれば、煙道の入口は天井につけるべきか?殆どはそうでなくても
よいはずなのです。むしろ炉内は熱溜まりを上手に作る必要があります。
煙突、煙道の入口、吸引を調整するダンパー構造、こうした要素を発想に加えて
いくと、随分と理にかなった構造になると思います。
04 技術論
Q ガス(プロパン)を使った窯の温度があがりません。
いろんなチェック項目があります。プロパンのガスの種類が変わっていないか
季節でガスの発熱量が変わっていないか、空気との混合はバランスよく出来て
いるか、ガスばかり出しても未燃焼ガスが増えるばかりになっていないか。
流量調節弁の調整を季節や用途に応じて行なっているかどうかです。
Q モルタルという語意が共通なのか似たような言葉が他にもあり迷います。
建設業界のモルタルは「セメントと砂と水」、築炉のモルタルは粘土質の
耐火モルタルという製品そのものを示します。混同されているので注意して下さい。
Q キャスタブル(不定形耐火物)と耐火煉瓦の強度が知りたい。
実は耐火煉瓦同様、キャスタブルも様々な種類があり、「高強度」と呼ばれる
強度重視の製品もあります。ですから、用途に応じて逆に選択をすることになります。
Q メーカーの製品によく番号記号がありますが、この意味は?
メーカー独自の記号は、それぞれですが、例えばそこに、13とか14という数字が
ありますと、それが1300度、1400度という温度を示している場合があります。
設計するときは、安全値として、1割引くらいの余裕を持たせたいものです。
Q 煉瓦の寸法(標準形・規格異型)を教えてください
日本規格協会が発行するJISハンドブック「耐火物」にも基本的な寸法が載って
います。JISハンドブックは大きな書店の専門書コーナーにあります。
当社が、自社現場用、その他の用途の為に常時在庫を置くのは
並型(SK32〜SK38)セリ型(Y1〜Y3・T1・T2)セリ受(45度・60度)
1.5丁長、2丁長、重箱、4丁掛といった異型です。そのときによって以外の異型
もある場合があります。詳しくはお問い合わせ下さい。
Q キャスタブル(不定形耐火物)のプレキャストとは?
キャスタブルというのは型に流し込んで自由に形を成型できる、不定形耐火物の
事ですが、自然乾燥でも、製品の設定値の強度に、施工後1日〜2日で達する
事が出来ますが、さらに、窯で事前に焼き締めて出荷するのがプレキャストによる
製品加工です。何故、このような工程を踏むかといいますと、再収縮を防ぐという
意味合いがあります。工場内で必要な工程を組むことで、安定した自由な設計の
商品をお客様の要望に応じて作ることが可能なのです。
Q 築炉の道具について教えてください
まずお馴染みのコテですが、煉瓦コテは左官用のコテと少し形状が違います。
桃のようなお尻が丸いのが特徴です。扱うモルタルが違うためにこのような違い
になっています。そのほか、煉瓦を切断するための目切、煉瓦を削る両刃等が
築炉独特の道具と言えるでしょう。
Q 作った窯の温度があがりません(もしくは時間がかかる)
バーナーの火力を上げても、温度が上がらないときは、バーナーの燃焼形式に
窯の形状があっているのかが、まずチェックポイントです。長炎タイプなのに
途中でせき止めていないか、空気との混合がうまくいっているか等です。
ガスの場合は、夏期と冬季でガス発生量も変われば、納入されたガスの組成
そのものが変わっている場合があります。吸気と排気の関係、蓄熱。断熱の構造
順番に検証していくと、要因があきらかになる場合があります。
Q 耐火煉瓦の特注は可能ですか?
可能です。ただし納期に注意して下さい。全くのオリジナルを注文する際は、型から
起こしますので、二ヶ月程度、待たされる可能性が高いです。
Q 耐火煉瓦の熱伝導率はわかりますか?
もし計算の係数を求められるのであれば、1に近い例えば0.9とかの数値に
なるでしょう。(製品によって違います)0.5とか0.3という数値を求めるのは
断熱系の素材になります。耐火煉瓦はどちらかと言えば「蓄熱」する素材ですので
それだけを使用した窯の場合は、外側も熱くなります。火傷にご注意下さい。
05 以前の回答集(1997年〜2003年辺)より抜粋
煉瓦って切断(加工)が素人でも出来ますか?
左が「目切」と呼ばれるたがねです。金槌と一緒に使います。目をレンガの切断
したい部分にあわせ、小さいほうに金槌を当てます。一度に一箇所を何度も叩く
のではなく、目切の位置を変えながら、切断したい面をぐるっと囲むように目切を
打ち込んでいくと、大体希望の形でレンガが割れてくれます。
次に右の「両刃」と呼ばれる、変った形の金槌ですが、これは、切断したレンガの
凸凹した面を削る時に使用します。金槌と同じ要領で、凸部に斜めに当てながら
削るのです。でも、こうした加工は職人の腕あってのものかも知れません
金鋸でも切って切れない事はありません。但しあっという間に鋸もダメになり
ますが。(笑)レンガが引けるような鋸もあるにはありますが、一般的に金物店
にある保障はないです。先日、剪定用の鋸で試して見ましたが、一応耐火も
赤レンガも切れる事は切れます。大量にレンガを加工する場合、私達は
ダイヤモンド刃のついた電動カッターやグラインダーを使用します。砥石の刃でも
いいのですが、あっという間に減りますので気をつけて下さい。
自分でアーチは作れる?
セリ枠(クシ形)と呼ばれる、レンガ施工の土台となる木の枠を作成します
クシ形を何枚か同じ物を作り、横にざら板を10ミリ位間隔を空けながら釘で
打ちつけます。そうして出来た形の上にレンガを並べるのです。
レンガは最初からモルタルをつけないで、空で積みます。(様子を見ます)
アーチの角度にもよるのですが、勾配によって、セリ形レンガと並形レンガを
挟みながら積むようになる場合があるあらで、セリ何枚に並形1枚かは、
その角度で決まります。(JISではその規格一覧があります)
組み合わせを大体決めておいてからモルタルを付け目地を薄く積んで
いきます。図の様に、最後に頂点のレンガをはめてアーチを完成させます。
乾燥してから、クシ形を抜けばアーチの完成です。
アーチなんかとても・・・天井を簡単に施工する方法は?
キャスタブルというセメントの様な不定形耐火物があります。
型にこれを流し込み、乾いたらそのままフタをする格好で屋根に載せるのです。
熱による膨張収縮で欠けたりする場合があるので、支えの為に所々にピンを
入れておく必要があり、業界ではスタッドピンと呼び、Y型やU型等いろんな形が
あります。
これも難しいという型には断熱材の様な綿もあります。ただ、釉薬を多く使う時に
この釉薬が飛んで綿に皮膜を作ってある時、製作物に落下して・・・なんて事も
ありますから、使用する条件を確かめてください。
セラミックファイバーについて教えて下さい
ガラス繊維質の素材を、布状に編んだり、粘土状に加工したり、ボードに成型
したりした製品です。軽くて扱いやすく、断熱性に富むので、いろんな応用が
可能です。耐温度でも複数製品があります。使用環境の激しい場所には単体
での使用は不向きです。
ここは通し番号ページ04です